旅行先は6割が「体験重視」、トレンドは?
世の中で議論を呼んでいる話題について意見を聞く「opinions」。今回の話題は「旅行先『体験』を重視」。「日本の魅力、再発見」がテーマの雑誌「ディスカバー・ジャパン」の統括編集長・高橋俊宏氏に聞く。
JTBが行ったアンケートによると、旅行先を決める際、そこで「体験できること」が「影響する」「どちらかというと影響する」と答えたのは6割近くを占めた。また、今後体験したいこととして「観光列車への乗車」が一番多く、次いで「工場見学」「収穫体験」となっている。
――これについての意見を聞いてみました。フリップをお願いします。
「本物を見たい!」と書きました。さきほど2位にランクインしていましたが、「工場見学」ですね。普通の観光自体が変わってきていまして、工場見学もひとつ例を出しますと、富山の高岡に「能作」という鋳物のブランドメーカーがあるんですね。その本社の工場が、建築から内装から、スタイリッシュでおしゃれになっていまして、工場だけどギャラリーのような空間で、かつカフェもあるんですね。
そこにいくと、普通に工場見学ができるんですが、面白いのは壁面にバーッと鋳型を並べているんですね、アートのように。見ていると普通の作業着を着たおじさんが来て、鋳型を取っていくんです。本物の使っているのを飾って、それを持って行くんですが、つまり、働いている現場がそのまま見られて、そこを体験できるという。つまりモノづくりの本物の現場が見られると。
――工場でありながらも博物館のようなつくりになっていると。
はい。去年の5月にできて、年末で8万人を超すぐらい、それぐらい今、人気になってまして。だから観光のあり方も、工場見学もそうですし、収穫体験もありましたけど、いわゆる観光目的ではなくて、本当にモノづくりしている現場だったりとか、そういったものを普通の人も見に行きたいという、特にモノづくりの現場とか、職人さんの技術だったりとか、手間暇かかってるのが見えると、モノを大切にするという気持ちも、子どもなんか芽生えるんじゃないかと思いますね。
――親子で体験したい旅ですよね。
はい。
■高橋俊宏プロフィル
「日本の魅力、再発見」がテーマの雑誌「ディスカバー・ジャパン」の統括編集長。「ディスカバー・ジャパン」は、地方の名所や特産品を新たな目線で紹介し、日本文化の素晴らしさを発信している。また、「地域ブランディング協会」を立ち上げ、人材育成や地域の課題解決にも取り組んでいる。
【the SOCIAL opinionsより】