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プラスチック海洋汚染 他人事じゃない日本

2018年5月30日 15:18
プラスチック海洋汚染 他人事じゃない日本

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「プラスチック製ストロー禁止 ヨーロッパでルール策定へ」。日本テレビ・国際部の小野高弘デスクは、EUのこうした動きをどう見るのか。

EU(=ヨーロッパ連合)の執行機関であるヨーロッパ委員会は、EU加盟国とヨーロッパ議会に対し、ストローやフォーク、容器などの使い捨てプラスチック製品の流通を禁止する新たなルールを提案した。

プラスチックは海洋ゴミの85%を占め、海の生態系に深刻な被害を与えているということで、ヨーロッパ委員会は「EU全体で取り組むべき喫緊の問題だ」などとしている。ネット上ではこんな声があがった。

「環境を考えて早急なルール導入が必要」
「プラ製品に依存する食品業界の反発必至」
「中国の廃プラ輸入禁止が大きな影響」


――小野さん、EUのこうした動きをどう思われますか?

これはもともと何が問題かといいますと、リサイクルされずにゴミとして捨てられたものが結局、埋め立てに回されるわけですね。そうすると、海へ流れ出てしまうということなんです。

2年前にイギリス南西部の港町で取材したとき、海を網ですくうとプラスチックがたくさん出てきたんです。ゴミが海へ流れ出て、大きいプラスチックが太陽の紫外線や波の力で、ものすごく細かく砕かれてしまうんですね。

これを魚が飲み込んでしまうんです。魚を開いてみると、胃の中からたくさんプラスチックが出てくるんです。

プラスチック自体は有害ではないんですけれども、海の中の有害物質がプラスチックに付着することがあり、その魚を食べる私たちの体に「回り回って…」悪影響を及ぼすかもしれない。こういう問題なんですね。

使い捨てストローの問題というのは、EUだけでなく元々はイギリスで先行して始まったものなんです。それが今やアメリカにも広がっています。例えば、プラスチックの代わりに紙のストローを使うという取り組みも始まっているんです。

この問題は他人事ではありません。日本周辺の海でも、プラスチックを飲み込んだ魚がたくさん見つかっているんです。もう一度申し上げますけれども、海洋汚染の問題は、くどいようですが「回り回って…」私たちの体に悪影響を及ぼす可能性があるということなんです。

ですから、このEUでの取り組みは、他人事ではないニュースだと言えると思います。


――明日は我が身ということを意識していきたいですね。


■日本テレビ・国際部 小野高弘デスクのプロフィル
社会部時代には、オウム真理教事件や福島第一原発事故を取材。政治部では小泉首相(当時)の番記者を務めた。その後はニューヨーク特派員を経て、現在はトランプ政権や急展開を見せる北朝鮮情勢の取材を指揮している。


【the SOCIAL opinionsより】