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福島で地面にナゾの亀裂、避難勧告も…何が

2018年5月30日 19:01
福島で地面にナゾの亀裂、避難勧告も…何が

普段は静かな集落の地面にナゾの亀裂がいくつも見つかり、住民に不安が広がっている。大きなひびが入った住宅もあり、避難勧告が出される事態に。いったい何が起きているのか。

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30日午前9時ごろ、福島・喜多方市でドローンが撮影した映像では、道路にいくつものブルーシート。そして亀裂が。川の岸が崩落してしまっている所もある。

近くの住民「やっぱ心配だべ。この辺まで影響が出てくるのかどうかもわからない」

地すべりによる大規模な亀裂が見つかったのは、福島・喜多方市の高郷町。先月20日、県道をパトロールしていた業者が異変に気づいたという。

喜多方市・高郷総合支所 長嶋嘉久住民課長「今はもう(被害が)数えられないくらい広範囲になっているので」

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今月7日に撮影された画像と20日に撮影された画像を比べてみると、縦に入っていた亀裂は道路全体へと広がっていた。

被害は県道沿いに立つ住宅にも。家の土台や付近のコンクリートには、大きなひびが入っていた。

地すべり被害を受けた住人「落ち着いて眠れませんからね。眠れないのが一番(つらい)です」

喜多方市は29日、この家の住人2人に避難勧告を出した。30日にも安全な市営住宅へと引っ越す予定だという。

至る所で発生した亀裂のため、県道は1.7キロの区間が通行止めに。この影響で──

近くの住民「買いもの行くっていっても不便だし。通勤する人もそうだし、毎日来る郵便屋さん、宅配便屋さんとか、みんな迂回(うかい)路で来ないといけない」

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こうした中、市や県は、近くに住む42世帯117人を対象に説明会を開催。

喜多方市 遠藤忠一市長「状況が変わらない。変わらないどころか、少しずつ(亀裂が)大きくなってきている」

県の担当者「できれば夏ぐらいまでには、ある程度の(地質の)状況がわかるように(調査)したい」

参加した住民は──

説明会に参加した住民「今、話を聞いたから良かったです」「精いっぱい対応はしていただけるものと思いますので、お任せするしかないですね」

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のどかな集落を襲った、地すべりの被害。一体、なぜ発生したのだろうか。

喜多方市 遠藤忠一市長「大雪であったことは間違いない。どういう影響しているかというところ」

喜多方市の近くの観測地点・西会津で、去年12月から今年2月までの3か月の間に降った雪の量は731センチと、平年より約4割多かったという。

地すべりに詳しい日本地すべり学会の落合博貴会長は──

落合博貴会長「この冬の積雪が多くて融雪が進んで、地下水ですね。それ(地下水)が従来よりも上がっている可能性があるかなと考えております」

大量に降った雪がとけ、地下にしみこみ地下水の水位が上昇。これにより地下の地盤が不安定になり、隆起や亀裂が発生した可能性があるという。

また、梅雨の時期はさらに地下水が上昇することが考えられ、地すべりの拡大に注意が必要だという。