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米朝会談“中止”…最強カードを切ったワケ

2018年5月25日 6:21

アメリカのトランプ大統領は北朝鮮の金正恩委員長に書簡を送り、来月12日に予定されていた米朝首脳会談を中止すると伝えたと発表した。首脳会談が中止に至った背景に何があるのだろうか。ホワイトハウスから井上幸昌記者が伝える。

トランプ大統領は「中止」という最強のカードを切って、金委員長に安易な妥協はしないぞ、と最後通告を突きつけたと言える。

トランプ大統領は書簡で「北朝鮮のむき出しの敵意をうけて会談は不適切になったと感じた」と強調した。中国を「後ろ盾」に揺さぶりの度合いを連日強め、ペンス副大統領を「生意気だ」と非難した北朝鮮に、トランプ大統領の堪忍袋の緒が切れたという指摘が出ている。

ただ、より根源的には、非核化の進め方について米朝の溝が大きく、このままでは国内にもアピールできる合意には至らないと判断したとみられる。

今後、トランプ政権は、北朝鮮への最大限の圧力を続けるにとどまらず、追加の制裁、さらには武力行使もちらつかせながら、北朝鮮に「降伏」を迫るとみている。

両国とも首脳会談を行いたい意思は変わっていないとみられるが、北朝鮮が対決姿勢を強めた場合は情勢が一気に緊迫する恐れもある。