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なぜ“地鶏と誤解”塚田農場「違反表示」に

2018年5月25日 19:15
なぜ“地鶏と誤解”塚田農場「違反表示」に

居酒屋チェーン「塚田農場」が一部の料理で、地鶏と誤解させる表示をしていた。運営会社は、景品表示法違反で改善を命じられている。誤解をさせる表示や、実際に使われていた鶏肉について取材した。

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22日に行われた消費者庁の会見。

消費者庁表示対策課・大元慎二課長「問題としましたのはメニュー表示でございます。チキン南蛮にはブロイラー(肉用若鶏)を、つくねについてはほとんどブロイラー(肉用若鶏を使用)」

居酒屋チェーン「塚田農場」などが、一部の料理で地鶏を使用していると誤解させる表示をしていたことが明らかになった。消費者庁は、景品表示法違反で運営する「エー・ピーカンパニー」に改善を命じている。

炭火焼きやチキン南蛮などの鶏料理を提供し、全国に店舗がある塚田農場。

~インターネットの声~
「塚田農場でそんなことが」
「チキン南蛮めっちゃ好きだったのに…」
「なんだー地鶏じゃなかったんだね」

1日で1400件近くのツイートを記録した。問題となった誤解させるメニュー表示とは?

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景品表示法は、実際より良く見せかけるといった、不当な表示などを禁止する法律。塚田農場のメニューには、どんな表示が行われていたのだろうか。

大元課長「まず、表紙のところで地鶏一筋というふうに書いてある」

メニューの表紙にあったのは「地鶏一筋」の印。そしてメニューを開くと2ページにわたり地鶏についての説明がある。そもそも地鶏とは、出生の証明や飼育期間や飼育場所などの基準をクリアした鶏のこと。希少性が高いと言われている。その地鶏が塚田農場の店舗で提供されるまでの過程もイラスト付きでかかれていた。

他のページについては-。

大元課長「最初の所は地鶏って書いてあって、地鶏っていうふうに書いてますよね。こちらのほうはそういうこと(ブロイラー使用)も書いてない」

実際、チキン南蛮やつくねにはブロイラーという肉用若鶏が使用されていた。消費者庁は、冒頭の地鶏についての記載などが、チキン南蛮などにも地鶏を使用しているかのように示していると指摘している。

このメニュー表示の仕方について街の人は-。

「地鶏の紹介があって後ろに鶏の商品があるってなると、その(地鶏の)商品だよねって思っちゃいますよね」「全部このお肉(地鶏)を使っているのかなと思いますけど」

「これ(チキン南蛮)に地鶏とか書いてあれば地鶏って思うかもしれませんけど、このお肉だけは違うのかなって私はちょっと思います」

今回、塚田農場のチキン南蛮などに使われていたというブロイラー。飼育期間が短い肉用若鶏のことで、スーパーなどで多く流通しているという。

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地鶏料理を扱うお店で話を聞くと-。

いいとこ鶏・中島義行さん「(Qブロイラーの鶏肉の特徴は?)やわらかさというので食べやすい」

特別に地鶏とブロイラーの食べ比べをさせてもらった。地鶏のチキン南蛮は、かみ応えのある弾力のある肉だが、ブロイラーは、地鶏と比べてとても肉がやわらかく感じる。食べやすい印象だった。

実は、このお店でも地鶏を仕入れているが、チキン南蛮にはあえて、ブロイラーを使っているという。また、塚田農場は地鶏を使うと硬くなってしまうので、ブロイラーを使用していたと消費者庁に説明している。

現在は、若鶏を使用している旨を追記するなどしているという。