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“日本への留学増”結びつき強まる日中関係

2018年5月18日 16:03
“日本への留学増”結びつき強まる日中関係

先週、開かれた日中韓首脳会談で、中国の首相が7年ぶりに、日本を訪問した。尖閣問題などで一時は冷え込んだ日中の関係は、ここ数年、確実に結びつきを強めている。


■日中、本格的な関係改善へ

8日、日本を訪問した中国の李克強首相。今回、日中関係について、これまで以上に踏み込んだ評価をした。

「今はまさに波風が過ぎ去って、晴天があらわれ始めました」

こうした中国側の姿勢は、貿易摩擦を抱えるアメリカを見据え、日本との関係改善を本格化させたともみられる一方で、ここ数年、着実に結びつきを強めてきた日中両国の現状を、ようやく正しく反映したともいえる。


■“日本の有名大卒”中国でも評価

中国・上海市内の私立高校では――

記者「こちらのクラスでは2年生30人ほどが、日本語で授業を受けています。皆、日本への留学を目指しています」

この学校では8年前から日本への留学専門のコースが始まった。1、2年生の内に日本語を習得するため、毎日、猛勉強している。

中国では、4年制の総合大学に入学できる学生は全体の4割で、非常に厳しい受験競争がある。一方で、日本の大学は比較的入学しやすいといわれ、東京大学や京都大学など日本の有名大学で勉強したという学歴は、中国でも評価されている。

生徒「上智大学を目標にしています」「日本から学ぶべきことはまだ多いので、日本で勉強し、将来の可能性を伸ばしたい」

2012年の尖閣諸島の国有化に抗議する反日デモ以降、日本を目指す中国人留学生は減少した。しかしその後、増加に転じ、去年初めて10万人を超えた。

「(中国で大卒の)就職率が70%程度といわれています。一般的な大学を出るだけでは就職は難しいと」「留学して特殊なスキルを付けて、また中国に戻ってきて、外資系や民間企業に就職する」(岡三証券上海駐在員事務所 酒井昭治所長)


■日系会社で生きる“留学経験”

中国で鉄鋼製品を販売している日系企業。日本人3人のほか、日本への留学経験がある社員を含め、100人以上の中国人社員が働いている。

営業を担当する中国人社員の陸さんは、日本への留学経験がある。中国の取引先の意見を汲み取りながら、日本企業が強みとする顧客への気遣いもできるため、大きな戦力になっているという。

陸さん「(商品に)擦り傷が発生しましたので」「1回、サンプルを持って行って、材料として使えるか確認しましょう」

この日系企業では、部長などの管理職も中国人社員が担っていて、まさに会社の中核を支えている。

上海嘉日鋼板製品有限公司 鈴木健 董事長「(中国人の取引先の)細かいニーズを聞いてきてくれる部分が非常に助かっています」「日本人だけではなく、中国人スタッフという力が必要だと思います」

中国に進出している日系企業は2万3000社以上。1000万人以上の中国人を雇用しているといわれる中、特に日本について学んだ人材が大きな支えになっている。

歴史問題など、もろさもはらむ一方、日中平和友好条約締結から40年経ち、経済や人材交流の面で深く結びついた日中の関係。さらに発展させていくチャンスが今、訪れている。