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米大使館をエルサレムに移転 抗議デモ激化

2018年5月14日 23:48

国際社会から批判の声も出る中、イスラエルにあるアメリカ大使館がエルサレムに移転された。一方、抗議デモは激しさを増し、死傷者の数が1800人を超えている。現地から最新情報を可児記者が伝える。

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記念式典は、トランプ大統領の長女でユダヤ教徒のイバンカ補佐官と夫のクシュナー上級顧問も出席して開かれた。そして、トランプ大統領がビデオ演説で祝意を表した。

トランプ大統領「きょうアメリカは正式に米大使館をエルサレムに開設する。おめでとう」

トランプ大統領は、自分の指示によって移転を何年も前倒ししたと誇る一方、「アメリカは中東和平の促進に引き続き全力で取り組む」と強調した。

パレスチナ自治区では、抗議デモが相次いで発生し、イスラエルの治安部隊との衝突に発展した。ガザ地区では、3万人あまりがデモに参加。パレスチナ保健当局によると、イスラエル軍の銃撃などにより、これまでに41人が死亡、1800人がケガをしている。

トランプ大統領の決断の背景には、公約である大使館移転を実現することで、秋のアメリカ中間選挙で、キリスト教保守派の「福音派」の支持を固めたいという内向きの事情がある。

しかし、エルサレムは、すべてのイスラム教徒にとってきわめて重要な場所で、終わりの見えない暴力の連鎖が起きる可能性もある。