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緊迫のエルサレム 米大使館の移転まもなく

2018年5月14日 18:19

イスラエルにあるアメリカ大使館が日本時間の14日夜、エルサレムに移転される。イスラエルの首都と認めたトランプ大統領の決定だが、反発するパレスチナ側と激しい衝突も懸念される。

大使館の移転を記念する式典は、新たに大使館となる建物で日本時間の14日午後10時から行われる。青い幕の向こうには大使館のロゴがあるとみられる。そしてポスターには、トランプ大統領はユダヤ民族の友達であると書かれていて今回の大使館移転をイスラエル側が大歓迎している様子がわかる。

式典にはトランプ大統領が出席しないが、代わりに長女のイバンカ補佐官夫妻らが出席する予定。大使館の移転はイスラエルの主張に基づきエルサレムを首都と認め、それを既成事実化するもので、帰属を争っているパレスチナ人は反発している。パレスチナ側は大規模な抗議デモを呼びかけていて、イスラエルの治安部隊と激しい衝突も懸念される。

パレスチナ人住民「トランプ大統領の決定に国際社会は反対だ。誰が認めるものか」

トランプ大統領の決断の背景には、秋のアメリカ中間選挙でキリスト教保守派の「福音派」の支持を固めたいという内向きの事情がある。しかし、パレスチナ人だけでなく、聖地エルサレムはすべてのイスラム教徒にとって特別な場所。今回の決断はいわば「パンドラの箱」を開けたものですべてのイスラム教徒を敵に回した形。

大使館となる建物の周りはまだ静かな状況だが、まもなくパレスチナ人の抗議デモも始まる。いまはまだ、嵐の前の静けさといった状況。