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富士フイルム ゼロックス買収計画が白紙へ

2018年5月14日 18:42

富士フイルムによるアメリカの事務機器大手ゼロックスの買収の合意が破棄され、計画が白紙にもどることになった。

ゼロックスは13日、富士フイルムによる買収合意を破棄すると発表した。「子会社の富士ゼロックスの監査済み財務報告書が期限までに提出されなかったこと」などを理由にあげている。富士フイルムによる買収計画を巡っては富士フイルム傘下の富士ゼロックスをアメリカのゼロックスが完全子会社化した後、富士フイルムがゼロックスの株式50.1%を取得し買収することで合意したと今年1月に発表していた。

しかし買収発表後、ゼロックスのいわゆる「物言う株主」である主要株主が「ゼロックスの価値が過小評価されている」などとして、ニューヨークの裁判所に申し立てをし、買収差し止めの仮処分が出るなど富士フイルムのゼロックス買収の行方は不透明な状況になっていた。

富士フイルムはゼロックスの買収合意の破棄について「ゼロックスには、本案件を一方的に契約終了する権利はなく、そのような決断に至ったことには抗議する。富士フイルムは、今後訴訟や損害賠償請求も含めた適切な手段をとっていく」とコメントするなど買収計画はますます混迷を深めている。