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「拉致問題」文大統領から金委員長に伝える

2018年4月29日 12:17

南北首脳会談を受けて安倍首相は、29日朝、韓国の文在寅大統領と電話で会談した。文大統領は金正恩委員長に対して、拉致問題をめぐる安倍首相の考えを伝えたという。

文大統領は南北首脳会談で、拉致問題の解決の必要性について伝えたということだが、その際の金委員長の反応については安倍首相は「詳細は言えない」として明らかにしなかった。

安倍首相「文在寅大統領から拉致問題について、そして日朝関係について、金正恩国務委員長に話をした、私の考えを伝えたという話があった」「(Q.金委員長から拉致問題についてどのような言葉があったかという説明は文大統領からあったか)詳細についてはこの場で紹介することは控えたいと思います」

そして、安倍首相は現在、韓国の徐薫国家情報院長と会談していて、南北首脳会談の内容についてさらに詳しい報告を受けている。

Q.現在の融和ムードは拉致問題の解決につながっていくのか?

それはまだまだ不透明だ。首相官邸内には米朝首脳会談の後に早期の日朝首脳会談を模索する動きがある。政府関係者は「北朝鮮はいざ経済援助となったら日本が一番出してくれると思っている」と語っている。政府関係者によると、平昌オリンピックにあわせた安倍首相と北朝鮮最高幹部の一人との接触などを通じて北朝鮮側は経済支援への期待感をにじませているということで、これを拉致問題の前進につなげたいという考え。

しかし、政府内には依然として北朝鮮の核ミサイル廃棄の姿勢、さらに拉致問題への取り組みに懐疑的な見方が根強く、援助だけ求められるのではないかという懸念もある。首相周辺は「ここで冷静に見られるかが勝負だ」と語っている。融和ムードが広がる中で、日本の外交力が試されている。