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握手の瞬間に大きな拍手…涙を流す女性も

2018年4月27日 13:11

北朝鮮の金正恩委員長が27日午前、朝鮮半島分断の象徴でもある南北軍事境界線を越え、韓国側に入った。韓国の文在寅大統領は笑顔で金委員長を迎えた。10年半ぶり3度目の南北首脳会談は午前10時過ぎから始まった。韓国・ソウル郊外にあるプレスセンターから藤田記者が伝える。

プレスセンターでは両首脳の対面が近づくにつれ誰もが口をつぐみ、固唾をのんで大型スクリーンに見入った。金委員長が姿を見せたときには広いプレスセンターにどよめきが起き、2人が握手した瞬間には大きな拍手がわき起こった。両首脳が手をつないで軍事境界線を往復するパフォーマンスをした際には誰もが笑い、高揚感に包まれた。歴史的な瞬間に涙を流す女性の姿もあった。ここだけでなく、ソウルの駅前でも両首脳の握手の瞬間には大きな拍手がわき起こった。

首脳会談は午前10時過ぎに始まった。会談は和やかな雰囲気で始まったが、金委員長は冒頭で次のように切り出した。

金委員長「これまでのように、いくら良い合意や文言が発表されても、しっかり履行されなければ、こういう出会いがあっても期待を抱いた方々にむしろ失望を与えることになるのでは」「いつでも会って懸案を解決し、心をひとつに意思を共にすれば、失った11年間を悔やまずに良い方向にいけるのではないか」

これは、文在寅政権以前の韓国の2つの保守政権への不信感を示す一方、合意をするならば韓国側がしっかり履行する必要があるとけん制したと言える。

文大統領は焦点である北朝鮮の非核化について具体的な成果を引き出せるか、そして「本丸」である米朝首脳会談への道筋をしっかりと描くことができるのか、正念場となる。