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富山湾で蜃気楼ではなく…クジラを発見!

2018年4月23日 21:29
富山湾で蜃気楼ではなく…クジラを発見!

富山県魚津市沖の富山湾でクジラが目撃された。日本海側では本来、生息していないとみられるマッコウクジラとみられる。

魚津市の野村英樹さんが市内の海岸で22日午後3時ごろに撮影した映像には、水面に現れて何度も潮を吹いているクジラの姿が映っている。クジラは5分ほど姿を見せた後、大きな尾びれをふりながら海の中へと潜っていった。

この時期、魚津の海岸でしばしば出現するしんきろうを見ようと訪れていた多くの人が、クジラを目撃した。一夜明けて現場を訪ねると前日にクジラを見たという人がいた。

西野勇さん「最初に潮を吹いていた。クジラだと言っていたら最後に潜ったときに完全にクジラだと確認ができた」

しんきろうを撮影するために東京から訪れていた西野勇さん。ベストショットはしんきろうではなく、波間から見えたクジラの尾びれだった。

国立科学博物館などによると、このクジラは「マッコウクジラ」とみられる。

国立科学博物館・山田格名誉研究員「少し見えている背びれのような三角の盛り上がりがあるが、非常に真っすぐで直線的であるということ、最後に見える尾びれの特徴からマッコウクジラとみて間違いないと思う」

またマッコウクジラは、潮を吹く噴気孔が顔の先端にあり、斜めに潮を吹くのが特徴でこの特徴も一致する。

マッコウクジラは体長が10メートル以上、大きいもので20メートルほどにもなる。日本近海では太平洋側を中心に生息していて、日本海側での記録に残る目撃例は、1998年の山口県、2004年の新潟県の2例だけ。

山田格名誉研究員「もし今回のクジラが大きなオスで、1頭しかいなかったということであれば、配偶者を求める旅の途中でうっかり日本海に入ってしまった可能性もある。富山湾で、見つかるというのは本当に珍しい」

しんきろうを見に来た人たちにとっては、それ以上の思わぬ出会いとなった。