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文字を音に変換するメガネ きっかけは父親

2018年4月20日 15:23
文字を音に変換するメガネ きっかけは父親

文字を音に変換してくれるメガネ、OTON GLASS(オトングラス)。視覚障害など、文字を読むことが困難な人のために開発された。

小説などの長い文章も…

OTON GLASS「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」

さらに翻訳機能もついている。使い方は読みたい文字の方を向き、横についているボタンを押すだけで、書かれた文字を読み上げてくれる。仕組みはメガネに設置されたカメラで文字を画像データにし、それをクラウド上のAIに送る。AIは画像から文字を認識して音声データに変換、これが戻ってきて“OTON GLASS”から再生される。

開発を行う島影圭佑さん。開発のきっかけはお父さんの病気だった。脳梗塞を患い、文字が読めなくなってしまう後遺症が残ってしまったのだ。そのころ大学生だった島影さんはお父さんが不自由しないように“OTON GLASS”の開発をはじめた。製品名のOTONは“音”と、お父さんを呼ぶときの“おとん”からきている。

幸いお父さんの症状は回復しつつあり、島影さんは他の文字を読むのが困難な人にも“OTON GLASS”を使ってもらいたいと、改良を重ね製品化にこぎつけた。使いたいという声も多く低価格で届けたいと考えているが福祉機器としては前例がなく、保険適用にできるのかなどの問題もある。

島影さん「これを視覚障害者の方たちが求めているけども、どういう制度設計にしたらいいのかというのも、いちから考えないといけない」

今後は翻訳機能で海外渡航者にも使ってもらいたいと考えているという。

島影さん「だれもが文字を読める世界をこの“OTON GLASS”で実現できればいいなと思っています」

【the SOCIAL futureより】