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高御座の運び方 どうやって解体するの?

2018年4月18日 16:50
高御座の運び方 どうやって解体するの?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「即位礼正殿の儀 『高御座』の修繕費は?」。日本テレビ社会部・山見穣太郎デスクに聞く。

17日、メディアに公開された“高御座(たかみくら)”。天皇が即位を国の内外に宣言する“即位礼正殿の儀”で用いられる玉座で、現在は京都御所に保管されている。

宮内庁関係者によると、高御座と皇后が使う“御帳台(みちょうだい)”は今年の夏頃に皇居に運ばれ、修理に入るということだが、その移送と修理には約5億円の費用が見込まれている。


――山見さん、かなりの費用がかかるんですね。

ちょっと高いように感じられるかもしれませんが、最大に見積もってこれくらいということなので、そこまではかからないと今はみられています。

ただ、即位するときにだけ使われるものなので、前回、使ったのは平成2年の27年前なんです。それ以来は、ずっと置いてあるだけの状態だったんですが、17日に公開され、宮内庁担当の記者が近くでつぶさに見てまわりました。

一番上には大きな鳳凰(ほうおう)があって、その周りに8角形の屋根があるんですが、角にそれぞれまた金張りの鳳凰が作ってあります。そして、漆で塗られた柱が8本あります。横もぜんぶ総漆なんです。さらに、麒麟(キリン)のような瑞兆(ずいちょう)とされる動物が描かれていたりと、非常に手のかかった作りになっています。

漆がちょっと剥がれていたり、金ぱくが落ちていたりする部分があるということで、大々的に修繕をしなきゃいけないということです。あと、これをまた東京に持ってこなければいけない。

木造で高さ6.5メートル、重さ約8トン。素晴らしく壮麗だったと担当記者が言っていました。

1990年の映像を見てみると、天皇陛下が中に入られて、自分が天皇になりますということを宣言される場なんですね。その周りで、158か国から来られていたと思いますが、各国の賓客が首相とともにその宣言を聞くというものです。


――こうして見ているだけでも荘厳なたたずまいが伝わってきますが、東京へどうやって持ってくるのでしょうか?

一応、今回は陸送にするかという話ですが、前回、1990年も陸送を検討していました。これだけの大きさのものを解体して運ばなきゃいけなかったんです。前回は過激派とかが爆破予告をしたりした観点から、急きょ陸上自衛隊のヘリコプターで運ぶということになって、高御座をどう解体しようとなったんですね。

約100年前に作られたものなのですが、図面もないし作った人もいないので、一生懸命、調査研究しました。その結果、一番上にある大きな鳳凰を取り外すと、かんぬきが付いていて、それを外すとすべてが解体できたということでした。

大がかりなもので、夏から6か月ほどかけて修繕し、来年の10月22日までに動かすということです。そういったことも注目しながら見ていただければと思います。


■日本テレビ社会部・山見穣太郎デスクのプロフィル
入社以来、社会・政治・国際のニュース全般を担当。特に自衛隊の取材や、北朝鮮の弾道ミサイル発射などの安全保障問題、「イスラム国」事件などイスラム過激派の問題などを扱ってきた。現在はデスクとして国内の事件・事故の取材の指揮をとっている。


【the SOCIAL opinionsより】