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「これ、なんぼ?」値段交渉ができる商店街

2018年4月17日 14:28
「これ、なんぼ?」値段交渉ができる商店街

大阪のシンボル・通天閣の近くにある“新世界”の商店街。平日は、いわゆる“シャッター商店街”ですが、毎週日曜日になると「これ、なんぼ?」の合言葉でにぎわいます。

店「じゃんけんで勝ったら9500円!」

盛り上がっていたのは、通天閣のおひざ元にある新世界市場。普段、営業している店は48軒中15軒だけ。客が来ないので、夕方4時半には店じまいします。

しかし、毎週1日限定で、2000人以上の客が押し寄せるのです。それは、日曜日限定の“W(ダブル)マーケット”。

取材したこの日は、16店が屋台を広げました。手作りのガラス細工や、古着のデニムで作ったカバンなどの商品が並びます。

斬新なのは、商品に値札が付いていない点です。値段交渉をすることでコミュニケーションが生まれ、商品を買うだけでなく、思い出も残ると考えたのです。とは言え、値段交渉は真剣勝負。

客「2枚やったら、なんぼになります?」

店「えーと、2枚やったらですか?2枚で1000円値引きします。6000円」

この交渉は成立。しかし、すべてがうまくいくとは限りません。ある店が販売していたペーパーホルダーの希望価格は1280円。交渉が始まると――

客「700円くらいだったら買うけど」

店「もうちょっと上がいいかな…1000円!」

客「じゃあ、あきらめる!」

店「900円!負けた…」

この試みの斬新さが話題になり、多くの人が足を運ぶのです。結果、シャッター商店街の活性化にも効果を出しているのです。商店街にあるお茶屋さんはこう話します。

お茶屋さん「Wマーケットさんが集客してくれたお客さんを、いかに店に持ち込むかは各店の努力」

この店は、新商品を開発。日曜日の売り上げは3倍になったといいます。シャッター商店街には、人々の笑顔があふれていました。Wマーケットを企画したトリックデザインの森田さんはこう話します。

森田さん「モノを作った人の思いやストーリーがあると思うので、そういうものを感じられる場所になればと」


【the SOCIAL trendより】