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“牛乳の安売り”問題、こだわる酪農家は?

2018年4月16日 14:27
“牛乳の安売り”問題、こだわる酪農家は?

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見を聞く「opinions」。今回の話題は「牛乳の安売りに国が『待った』」。八丈島乳業・魚谷孝之氏(35)に聞いた。

東京都内では牛乳の小売価格の下落が続いている。ある乳製品の団体によると、去年末の野菜の高騰によって客離れが進んだスーパーなどが、集客のために安売りを始めたとみられている。

しかし、農水省は安売りの背景に「一部の小売店による製造業者への取引価格の不当な圧力がかけられている恐れがある」などと指摘。小売店と製造業者の間で、公正な取引を促す指針を発表した。

一方、製造業者に牛乳を出荷する酪農家からは「製造業者から出荷価格の値下げを要求される日がくるかもしれない」という不安の声も聞かれた。


――この話題について意見を聞きます。フリップお願いします。

はい。


――「ワインのようなもの」とは、どういうことでしょう。

低価格に関しては、自分自身も違和感がある部分ではあるんですが、実際に牛乳というのは、酪農家含めて、その牧場ごとにそれぞれ個性があると考えています。そういった中で実は、ワインに似ているのかなと。

その土地ごとの個性だったりとか、育て方によって、個性が出てくるものなので…一方、いろんなところから集めた牛乳というのは、そういった種類の牛乳ということで、普段使う分には面白いと思いますし、こだわりの牛乳ということで、それぞれの土地を楽しむ、という使い分けではないですが、そういうことが広がっていけばいいなと思いますね。


――今だと、大きなタンクローリーにいろいろな酪農家のものを集めてひとつになっているので、それが別々に…

味わえれば面白いと思いますね。


――そういうふうに牛乳を楽しめる選択肢があるといいですね。


■魚谷孝之プロフィル
東京・八丈島で乳製品作りに取り組む。大学院でタンパク質を研究、乳製品の製造・販売会社でチーズを作る仕事を経験した後、31歳で八丈島に移住した。こだわりは、日本では珍しいジャージー牛を飼育すること。牛舎を使わない完全自然放牧を通して、牛にも自然にも優しい乳製品作りに取り組んでいる。


【the SOCIAL opinionsより】