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季節も男女も…広がる“逆転ビジネス”の今

2018年4月11日 19:24

暑い季節に食べたいアイスクリームをあえて冬に―。また、夏が旬のマンゴーを手間をかけて栽培し、冬に販売するという企業も―。こうした“逆転ビジネス”が今、広がりを見せている。

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■“冬アイス”市場拡大…あのパイオニアは?

甘いバニラアイスを餅で包んだ人気商品「雪見だいふく」(2個入り)だが、販売期間は実は秋冬のみ。冷たいアイスクリームは暑い夏に食べたいと感じるが、一体なぜ秋冬に限定したのだろうか?

株式会社ロッテ(マーケティング部アイス企画課)北村考志主査「常識を超えた商品を開発することで競合のシェアを駆逐していくことが必要だった」

あえて季節を逆転させることでライバルのいない新たな市場を開拓したという。

ここ数年、冬に高級感を打ち出した商品などが各社から売り出され、“冬アイス”の市場は拡大している。冬にアイスが売れる時代になった今、先駆者の「雪見だいふく」は今月から一年中販売することにしたという。

■“夏の王様”あのフルーツを冬に…秘策は?

沖縄などの温暖な地域で作られ、夏が旬のフルーツ「マンゴー」。そのマンゴーが北海道・音更町で栽培されている。しかも、冬に収穫しているという。旬の季節が逆転したマンゴーはどのように作られているのだろうか?

ノラワークスジャパン・中川裕之代表「12月にマンゴーを出荷するために、6月、7月にマンゴーに冬だっていうふうに認識させる」

その秘策となるのが雪。冬に降った雪を木のチップの下に大量にためておき、夏にハウスの温度を下げるために利用。マンゴーに夏を冬だと勘違いさせるのだという。逆に冬になると温泉の温かい水を利用してハウスを暖め、夏を作り出している。

ノラワークスジャパン・中川裕之代表「温度管理が一番大変なんですけれども、どのようにして逆転させたらいいのかってことが一番悩んでですね」

夏にとれるマンゴーより手間がかかるため、1個5万円もの高値がつくこともあるが、珍しい贈り物だと評判を呼び、売り上げは伸びているという。

■新たな使い方で体も心もホットに!?

ミネドラッグ汐留店・稲垣純子副店長「(カイロを)真夏でも買う方はいらっしゃいます」

冬の寒いときに体を温めてくれるカイロだが、なぜ夏にカイロが売れているのだろうか?

花王(商品広報)庄司恵留奈さん「夏の冷房に対する冷えですとか寒暖差などによって不調を感じられる方は(女性全体の)6割以上いらっしゃる」

夏でも室内のクーラーなどで冷え性に悩む女性も多いという。これに目をつけ、都内では「温活カフェ」なるイベントも―

今月14日と15日に開催されるイベントでは“首温め系男子”から温かいシートを貼ってもらう体験ができるという。

■季節だけでなく“性別逆転”も!?

都内のフィットネスジムでは今月から女性向けに、筋トレに特化したプログラムをスタートさせた。男性が好むイメージが強い筋トレだが、今、SNSでは“筋トレ女子”の投稿は約58万件あり、“筋トレ男子”の10倍以上に急増している。

ティップ.クロスTOKYO新宿・黒田香織エクササイズチーフ「体重が何キロというよりかは見た目を気にするというところで、やわらかくハリのあるボディーを目指されている」

利用客「女性らしい締まるところは締まって筋肉つけるところはつけてというのを目指してみたいなと思っています」

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従来の常識を覆す“逆転ビジネス”これからも広がりを見せそうだ。