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「本件は首相案件」加計問題のポイント解説

2018年4月11日 15:42
「本件は首相案件」加計問題のポイント解説

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「加計学園問題“首相秘書官”『本件は首相案件』」。日本テレビ政治部・竹内真デスクに聞く。

「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、愛媛県の職員らが2015年4月、当時の柳瀬首相秘書官と面会し、このとき柳瀬氏が「本件は首相案件」などと発言したと記載した文書を愛媛県が作成していたことがわかった。一方、柳瀬氏は「愛媛県側と会ったことはない」とのコメントを発表している。


――このことを安倍政権はどう受け止めているんでしょうか。

文書には、首相を間近で支える秘書官が「安倍首相の案件」という発言があったとされているだけに、官邸にも緊張感みたいなものは生まれています。


――今後、どういう展開になるのでしょうか。

柳瀬氏が本当にそういう発言をしたのかどうか「発言の真偽」がポイントになります。


――本人は今のところ、何と言っているかというと…

まず、柳瀬氏は10日に、自分がそういう発言をしたことは「あり得ない」とコメントしています。また、政府高官も「愛媛県などが勝手に言っているだけだろう」と話しています。


――となると、愛媛県側が勝手に記録したということになるんでしょうか。

そこはまさにポイントですけど、まだわかりません。ただ、官邸の関係者の中には「首相案件という言葉は聞いたことがないが、安倍首相に非常に近い方の案件が進められようとしている、という話は聞いたことがある」と話す人もいるんです。

もうひとつのポイントが、発言が本当かどうかということと、もうひとつ、どういう趣旨で発言があったかということもポイントになります。愛媛県などは、国家戦略特区という制度を活用して、獣医学部を新設しようとしていたわけです。このため、ある官邸関係者は「国家戦略特区という制度自体も安倍首相がすごく力を入れていた分野だったので、“首相案件”と言ってもおかしくないんじゃないか」というふうに解説しています。


――発言がどういう意味でもたれたのかというところが焦点になってくるということですが、いずれにしても、野党側は追及する姿勢というのを今後強めると思うんですが。

はい、そうなんです。11日に行われている衆議院予算委員会でもさっそく追及しています。

野党側の主張は、やはり当時の首相秘書官の発言が事実なら、獣医学部の新設というのは、安倍首相の主導だった疑いが強まるのではないのか、ということなんです。ただ、安倍首相自身は11日も、獣医学部の新設について指示などを行ったことを否定しています。

野党側は、森友学園に関する財務省の決裁文書の改ざんの問題、そして自衛隊の日報の問題、それに加えて、この加計学園の問題も集中的に取りあげて追及する姿勢なんです。


■竹内真プロフィル
日本テレビ政治部デスク。社会部やさいたま支局では事件・事故の取材を行った。政治部では官邸キャップなどを務め、歴代政権の中枢を取材。選挙も担当し、当確報道の責任者でもある。現在は、決裁文書改ざん問題など揺れる安倍政権の取材の指揮をとっている。


【the SOCIAL opinionsより】