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88歳で博士号の女性 その好奇心と探求心

2018年4月6日 15:35
88歳で博士号の女性 その好奇心と探求心

88歳で博士号をとったスーパーウーマン、尾関清子さんの人生は好奇心と探求心に満ちあふれている。

尾関さん「何か珍しいものが出ないかということで、30年過ぎてしまったんです」

30年以上にわたり、こだわり続けたテーマは“アンギン”という縄文時代の編み物。麻や木の皮の繊維で編まれたものだ。尾関さんは研究のために“アンギン”で服を再現。さらに研究のため体を張って極寒の2月にアンギンとウサギの皮で、当時の真冬の生活を体験。3日間、生徒たちと竪穴式住居で暮らした。

わからないことは日本各地に出向いて調査したという。尾関さんのモットーは徹底的な探求心。

尾関さん「こうしたいというものを通したかったんですね」

小さい頃からこだわりが強く好奇心旺盛だったという尾関さん。手芸には特別な興味をもち、小学生の時には自分で靴下を編んだ事もあった。

終戦後、17歳で就職。銀行員、老舗デパートの秘書、運送会社の事務と3度の転職。日本人形教室を開講。作品展を見に来た大学関係者から手芸を教えてほしいと誘われ、東海学園女子短期大学の講師になり、その後、助教授になった。

さらに生活文化史に取り組むことになり、1987年にはその後の人生で研究し続けることになる“アンギン”に出会った。アンギンとの出会いから30年、研究の成果をまとめた論文が評価され博士号を取得した尾関さん。

尾関さん「もう本当にこれ以上、うれしかったことはまずないです」

博士号は決してゴールではなく、これからも新たな発見を求めて尾関さんの研究は続く。

【the SOCIAL lifeより】