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いちから分かる憲法改正 9条はどうなる?

2018年3月30日 13:58
いちから分かる憲法改正 9条はどうなる?

自民党は、先日、憲法改正に向けた方向性を取りまとめた。戦争放棄をうたった憲法9条はどう変わるのだろうか?

そもそも憲法9条には1項と2項があり、1項では「戦争」と「武力による威嚇」、または「武力の行使」の放棄、2項では「戦力を保持しない」ことと「交戦権」を認めない事を定めている。

この2項が定める「戦力を保持しない」という部分をめぐり、自衛隊は「合憲」か「違憲」か、長く議論されてきた。政府は、国の自衛権が否定されないのであれば、そのために必要最小限度の実力を持つことは、「憲法上認められる」との見解を示している。

しかし、自民党では「自衛隊は違憲だ」という憲法学者が多く、中学校の教科書でも違憲論が取り上げられていることもあり、憲法9条を改正し、自衛隊の違憲論を解消すべきと訴えている。

自民党執行部は、今の9条1項・2項を維持した上で、「自衛隊」を明記した新しい条文をつけ加える方向で取りまとめる方針だ。

具体的には、「必要な自衛の措置をとることを妨げず」と明記した上で、「そのための実力組織」として「内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」と加えるというものだ。

これによって、政府の解釈のとおり自衛隊は戦力には当たらず、自衛隊の存在が合憲だと、よりはっきりさせようというのだ。

一方で自民党の中には「戦力」や「交戦権」など、9条をめぐる長年の懸案を解消するため、9条の2項にある「戦力の不保持」を削除して改正するべきだ、との声もある。

しかし野党からは、自民党執行部の案に対して、「自衛の措置」の範囲がはっきりしていないので、過剰な武力行使が容認されてしまうという声も出ている。

自民党は今後、衆参両院の憲法審査会で各党と協議し、国会発議を目指す方針だ。


【the SOCIAL basicより】