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“だし”人気広がる…米国家庭にも日本の味

2018年3月29日 19:44

和食に欠かせないかつお節や昆布などからとる“だし”。海外でも人気が広がっている。アメリカでも、そのうまみや味わいの深さに魅了される人が増えていて、専門店だけでなく、家庭にも日本のだしが浸透し始めている。

◆国内では20代~30代女性を中心に広がり

東京・新宿にあるだし専門店『ON THE UMAMI』の商品は、その数およそ100品!中でもUMAMIだしシリーズは人気商品だという(「UMAMIだし」鰹と昆布、野菜、鶏…各648円・税込み)。水筒に入れて職場などに持っていく人も増えているという。

30代女性「風味とか、ちょっと足すだけでも味が広がりがあるかなというのはお料理してて思うので」「おみそとかも全然味が違いますね」

20代から30代の女性を中心に広がりを見せている「だしブーム」。実は、海外へもその人気が広がっている。

◆“だし”は海外へも

アメリカ・ニューヨークの『IZAKAYA SAMURICE』。ドリッパーで丁寧に抽出されているのは、コーヒーではなく、なんと「だし」。あふれんばかりのかつお節に野菜の粉末を合わせ、お湯を上から落として「だし」を作り上げる。

金山雄大プロデューサー「このようにだしをとると、より一層、かつおの香りが増す」

最近、健康志向の人たちを含めた多くの人に、だしやみそ汁が浸透してきたという。

店の客「いつも買っていますよ。最高ですよ」「とてもおいしいです。色んな風味がして、特に寒い冬だと、のどにも良い感じがします」

去年、オープンしたこのお店。今後の狙いは─。

金山雄大プロデューサー「コーヒーとベーグルの代わりに、おみそ汁とご飯を持って歩く光景を望んでいますね。アメリカのカルチャーの中に、みそ汁とだしカルチャーを定着させたい」

◆“アメリカ流”の使い方も

アメリカ・カリフォルニア州。福岡に本社を置く大手だしメーカー『久原本家』が2016年、アメリカに進出した。一番人気は、昆布とかつお節を使用した、だしパック。日本と売れ筋はほとんど同じだというが…

『久原本家』茅乃舎担当 垂水宏明・経営管理副本部長「(アメリカだと)例えばステーキとかパスタにお使いいただくのをよく聞きます。パウダー、シーズニングとしてお使いいただくケースもあるみたいです」

ステーキにだしの粉末をかけるなど、アメリカならではの使い方があるようだ。

『久原本家』茅乃舎担当 垂水宏明・経営管理副本部長「アメリカは日本以上に大きな市場だと考えています。アメリカのだしの浸透度合いが増えていると考えています」

◆“和食の家庭進出”も人気を後押し

アメリカで広がりを見せるだし人気。華やかなパーティーかと思いきや、始まったのは、「だしの取り方」を教える料理教室。

この日は、昆布とかつお節を使っただし。『COLTONS NEWYORK』代表で、ニューヨーク在住の料理家、ひでこ・コルトンさんがだしの取り方を説明すると、参加者は初めてのだしに興味津々。「とてもおいしいわね」「日本版チキンスープみたい」と口々に話す。教室では、このだしを使った応用編「かき揚げうどん」を作った。

参加者「だしをつくるのが簡単だと、きょう学びました。アメリカで具材を探すのもそれほど難しくなさそうですし、家に帰って息子に作ろうと思います」

参加者から、「だしを使った料理を作りたい」という要望をうけ、教室を始めたコルトンさん。だし人気の高まりには、ある意識の変化が背景にあるという。

ひでこ・コルトンさん「和食はレストランに行かないと食べられないものだったんですが、いろんな食材が普通のスーパーで買えるようになり、割と家で作ることもできるんだと」

海外に広がるだしブーム。「だし」を使った料理が世界中のテーブルに並ぶ日も、来るのかもしれない。