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“自動運転”死亡事故 残された映像には…

2018年3月22日 20:47

アメリカで自動運転の車が歩行者をはね、死亡させた事故で、事故を起こした車のドライブレコーダーの映像が公開された。その映像から、分かることとは。

◆公開された事故の映像、映っていたのは…

ドライブレコーダーの映像には、突然、目の前に自転車を押す女性の姿。自動運転モードだった車が減速した様子は見られない。

車内の映像には、下を向く男性オペレーターの姿。自動運転モードのため、ハンドルを操作する必要がないからか、また下を見る。そして、事故の瞬間、驚いた表情を見せた。

緊急時に備えるために運転席に乗っていた男性。それにもかかわらず、たびたび下を向いていた。

◆自動運転車での死亡事故は、全米初だった

今月18日、アメリカ・アリゾナ州で配車サービス大手「Uber(ウーバー)」が開発中の自動運転車が、公道を試験走行中に、歩行者をはねた事故。女性はその後、死亡し、アメリカのメディアは、自動運転の車による死亡事故は、全米初と伝えた。

地元警察によると、事故が起きたのは午後10時ごろ。車には、男性が1人で乗車。自動運転の状態で、速度は60キロ以上出ていたという。

そして、横断歩道ではない場所で、自転車を押して道路を横断しようとしていた歩行者の女性をはねてしまった。

◆専門家が分析、センサーの動作は…?事故は防げたのか。

この映像を見た、自動運転に詳しい専門家、金沢大学新学術創成研究機構の菅沼直樹准教授は──

菅沼直樹准教授「きちっとセンサーが反応していれば、左側から近づいてくる物体があるのは認識できているはずなので、センサーが正しく動作していたのか、きちっとした検証が必要。(自動運転は)完全なものではないので、ドライバーがいつでも対応がとれる態勢を整えておくのが非常に重要」

一方で、女性が暗闇から突然、車道に現れたことから、地元警察のトップは「(自動運転かどうかにかかわらず)この事故を防ぐことは難しかった」「初期捜査では、Uberに落ち度はなさそうだ」とコメントしている。