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豆腐、一部“常温保存”が可能に?

2018年3月20日 18:24

豆腐の保存方法を巡り、厚生労働省の有識者会議が新たな方針を決めた。これまでは冷蔵での保存が義務づけられていたが、一部の豆腐で常温での保存が認められることになりそうだ。“一部の豆腐”とは、どのような豆腐なのだろうか――

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19日、厚生労働省の有識者会議は、一定の条件を満たした豆腐について常温販売を認めるよう、規格・基準を改正することを決めた。

「豆腐の常温保存」についてスーパーマーケットで買い物する人に聞いてみると……

「想像つかないです。冷やして当たり前と思っていましたから。常温で大丈夫ですよ、ということであれば食べたいですね」「(常温だと)衛生的に賞味期限とか長くなったりするのか、大丈夫なのかなという不安はありますね」

常温保存が可能な豆腐とは一体、どんなものなのか? 静岡県御殿場市にある豆腐工場を訪れた。

この工場で作られる豆腐が、賞味期限が約半年と長期保存ができるという豆腐だ。牛乳パックのような容器に入っていて、この技術に常温保存の秘密があるという。

さとの雪食品・上坂英二工場長「原料と包装する機械も無菌。そういう状態で無菌の豆腐を作っています」

豆乳を殺菌し、パッケージに詰めるまでの工程を、全て無菌状態にした機械の中で行っている。そのため、半年間たっても菌が繁殖せずに、長期間の保存ができるという。

パックに詰めたばかりのものを開けてみると、まだ液状の状態だった。できた豆腐を紙パックに詰めたのではなく、紙パックの中で豆腐を作っているのだという。

さとの雪食品・上坂英二工場長「(入っているのは)豆乳とにがりだけですね。保存料とか長期保存のため添加剤とか、そういったことは一切しておりません」

試食してみると……

記者「大豆の味がすごいしっかりしています。食感もあってコシのあるお豆腐だなと」

実際に、このメーカーの豆腐はすでにイギリスやドイツなどで常温で販売されているという。海外ではすでに行われている豆腐の常温保存。今回、国内でも一部の豆腐に限り、常温保存を認める動きに対して、厚生労働省では「災害時の非常食の重要なタンパク栄養源として有効で、冷蔵保存が不要なためコストも削減できる」と話している。