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米朝首脳会談「大きな賭け」 米元高官語る

2018年3月16日 18:02

かつて北朝鮮との交渉の最前線に立ったアメリカ政府の元高官が、NNNの取材に応じ、米朝首脳会談は「大きな賭けになる」との見方を示した。

取材に応じたのはクリストファー・ヒル元国務次官補。ブッシュ政権で6か国協議の首席代表を務め、北朝鮮の核放棄を目指す交渉の中心的役割を担った。

今回、北朝鮮との交渉の難しさを強調した。

ヒル元国務次官補「北朝鮮の人はとてもタフです。何度同じことを繰り返しても気にしない」「北朝鮮は指針を本国から厳しく与えられていて交渉はとても難しい」

「北朝鮮と最初に対話するのが大統領というやり方は普通はしない」「このやり方がうまくいかなかった場合、他に外交面から取り組む余地はほとんどなくなる」「多くの人はギャンブルだと思っている」

また、金正恩委員長の「非核化の意思」が本物かどうか、見極める必要があると指摘した。

ヒル元国務次官補「私だったらまず、韓国側が言っている『金委員長が非核化してもいいと言った』という部分をもう少し調べるでしょう」「金委員長はこれまでそう言ったことはなかったので少し驚きです」

一方、トランプ大統領が譲歩するリスクもあると指摘する。

ヒル元国務次官補「あまりにもうまくいきすぎて、大統領がすべきでない譲歩をしてしまう懸念がある。しっかりと慎重に準備し、会談を行う必要がある」

また、米朝首脳会談での金委員長の出方は、その前の南北首脳会談の結果が手がかりだとの考えも示した。