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ハーグ条約の子供返還命令 最高裁で初判断

2018年3月15日 22:59
ハーグ条約の子供返還命令 最高裁で初判断

「ハーグ条約」に基づく子どもの返還命令に従わない母親に対し、父親が引き渡しを求めた裁判で、最高裁は「ハーグ条約に基づく返還命令に従わないのは原則的に違法だ」とする初めての判断を示した。

「ハーグ条約」は、国際結婚の破綻などで夫婦のどちらかが、相手の了解を得ずに子どもを国外に連れ出した場合、子どもを元の国に戻すことを定めている。

この裁判では、子どもを連れて日本に帰国した母親が、ハーグ条約に基づく返還命令を受けたにもかかわらず従わなかったため、父親が人身保護法に基づく引き渡しを求めていた。

一審の名古屋高裁金沢支部は、「子ども自身が日本での生活を希望している」として、父親の請求を退け、父親が上告していた。

15日の判決で最高裁は、「ハーグ条約に基づく返還命令に従わず、子どもを拘束している場合は、特段の事情がない限り、著しい違法にあたる」とする初めての判断を示し、「父親の請求を認めるべきだ」とした。その上で、最高裁は、子どもを引き渡すためには、法廷に出頭させる必要があることから、審理を高裁に差し戻した。