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国税庁の佐川長官が辞任「混乱をまねいた」

2018年3月9日 23:21
国税庁の佐川長官が辞任「混乱をまねいた」

森友学園の国有地売却をめぐる問題で、財務省の理財局長だった国税庁の佐川宣寿長官が辞任した。麻生財務相が9日夜に会見をひらき、辞任の理由について説明した。

麻生財務相「佐川本人から、いわゆる理財局長時代の国会対応についての話があって、国会審議の混乱を招いたと。また、行政文書の管理状況について様々な指摘を受けていること、辞職をしたいという本人の申し出によって、退職させてもらうことになった。少なくとも本人の意志ですから、こっちが強制的にどうかっていうわけではない」

麻生財務相は、佐川国税庁長官の辞任の理由をこう説明し、行政文書に対する信頼性を損なったとして、減給20%、3か月の懲戒処分としたことを明らかにした。

問題になっている決裁文書を書き換えたかどうかについては、この週末で調査を進め、来週早々にも調査結果を国会に報告すると明らかにした。

麻生財務相「決裁文書の件については、しっかりと調査を進めるよう指示し、まずは文書の有無、あるなしについて、現時点で分かっているものは、すべて、はっきりさせるべく、この週末を通じて作業するよう指示していますので、来週早々にもお示しできるようにさせたい」

決裁文書の原本を大阪地検に請求するかどうかについては、「調べられている方が捜査する側になかなかいえない」として、捜査終結までは難しいとの考えを示した。

さらに、佐川長官を任命した麻生財務相みずからの責任については、明言を避けた。

一方、この会見後、佐川氏自身も報道陣の取材に応じた。

佐川氏「国会審議の混乱をまねいたこと、行政文書の管理状況についてさまざまな指摘をうけていること、さらに決裁文書の国会提出時の担当局長であったことを踏まえ、国税庁長官の職を辞し、退職したいとお伝えし、お認めいただきました」

その上で、確定申告が行われているさなかの辞任になったことや、任期途中での辞任を謝罪した。

また、決裁文書の書き換えの有無については、「捜査を受けている立場なのでコメントを差し控えたい」と述べた。

国税庁長官は、当面、次長が代行するという。