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汚染水対策「凍土遮水壁」想定より限定的

2018年3月1日 22:17
汚染水対策「凍土遮水壁」想定より限定的

およそ350億円の税金を投じて造られた福島第一原発の「凍土遮水壁」。その効果は、当初の想定より限定的であることが分かった。

「凍土遮水壁」は、メルトダウンした原子炉建屋の周りに冷却管を埋め込み、土を凍らせることで地下水の流入を防ぎ、汚染水の発生を抑制しようとする仕組み。

この効果について東京電力は1日、会見し、凍土遮水壁によって減っている汚染水の量は、一日推計95トンにとどまっているとの分析結果を初めて公表した。

実際には、地下水をくみ上げる井戸を増設するなど様々な対策の組み合わせで、汚染水を一日あたり380トン減らすことができているという。

つまり凍土遮水壁は、いま行われている汚染水対策全体の4分の1の効果しか生み出せていないことになる。

建設に350億円もの税金が投入された「凍土遮水壁」は、原子力規制委員会でも当初から、巨費に見合う効果があるのか疑問視されていた。