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裁量労働制の拡大、切り離す方針固める

2018年2月28日 23:51
裁量労働制の拡大、切り離す方針固める

安倍首相は、まもなく自民党の二階幹事長ら与党の幹部と会談し、働き方改革関連法案から裁量労働制を拡大する部分を切り離す方針を伝える。首相官邸から青山和弘記者が伝える。

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与党幹部との会談はまもなく始まる見通し。裁量労働についてのデータの不備が次々と明らかになる中で、安倍首相は働き方改革で一歩後退を迫られた形だ。

安倍首相は28日の国会審議で、「裁量労働の実態を把握するまで前に進めない」と明言していた。そして、実態の把握には時間がかかることもあって、働き方改革関連法案から裁量労働制を拡大する部分を切り離す方針を固めた。まもなくその方針を与党幹部に伝える。

こうした方針転換は、9月に自民党総裁選挙を控える中で、国民の批判をできるだけ避け、波乱要因を減らしたいとの思惑もあると見られる。

切り離した場合、裁量労働制の拡大はどうなるのかまだ分からないが、ある自民党幹部は、「法案から切り離せば今国会での実現は難しくなる」と話している。

また、法案の残りの部分には、同じく野党が反対する、高収入の一部の専門職を労働時間の規制から外すことなどが含まれている。野党が攻勢を強めるのが確実な中、残りの法案の行方も不透明だ。

働き方改革は、安倍首相が成長戦略の柱に掲げていた。一部、後退を余儀なくされたことは、安倍政権の求心力に影響を与える可能性もある。