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福一原発・廃炉への長い道のり:記者解説

2018年2月27日 22:35
福一原発・廃炉への長い道のり:記者解説

東日本大震災から、来月で7年。福島第一原発では、廃炉に向けた作業が進められているが、作業はどこまで進んでいるのか。震災後、初めてカメラが福島第一原発・3号機建屋の内部へと入った。取材した日本テレビ社会部・中村洋介記者が解説。

■取材して一番感じたことは?

3号機の事故後の様子を考えると、正直、よくここまでやったなというのが第一の印象。ただ、3号機最上階の放射線量はまだ高い。私たちも取材をはやく終わらせるために結構、急いだ。装備は、手袋が二重で靴下は三重、全身防護の服を着ると、それだけで汗をかいた。これを毎日着脱する作業員は大変だな、という印象を持った。

■“廃炉”作業の最大のリスクは

廃炉全体を見渡すと、いま福島第一原発に残る最大のリスクは、核燃料。これには使用済み核燃料と溶け落ちた核燃料の2つがある。

使用済み燃料は、4号機についてはすでに取り出しが終わっている。メルトダウンした3つの原子炉のうち、3号機についてはこの夏、初めて取り出しが行われるという状況。1、2号機はまだ残ったままということだ。

一方、溶け落ちた核燃料については、まだ本格的な取り出しに向けてはほど遠い状況と言える。

■廃炉はいつ終わるのか?

国は40年で廃炉を完了するという計画の大枠をいまも堅持しているが、この後に残る作業の量を考えると、それは楽観的と言わざるを得ない状況で、廃炉作業の先は容易には見通せない。