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トヨタ技術者40人で開発 新チェアスキー

2018年2月16日 15:46
トヨタ技術者40人で開発 新チェアスキー

平昌パラリンピックに出場する1人のチェアスキーヤー。彼のために、自動車メーカー“トヨタ”の技術者40人以上が全面的なサポートをしている。

そのパラアスリートとは、今回の平昌大会でなんと5回目のパラリンピック出場となるチェアスキーヤー・森井大輝選手だ。過去のパラリンピックでは銀と銅メダルを獲得した。世界大会の優勝経験もあるベテラン選手だが、パラリンピックの金メダルはまだない。

森井選手が所属するトヨタ自動車では、クルマ開発の技術者たちによる特別チームが立ち上がった。車体フレーム設計を専門とする榎本さんは、40人以上の技術者を束ねるリーダーだ。操作性とターンを重視する森井選手のため、チェアスキーを一から作り直した。

まずは、徹底した軽量化をはかった。各部品を限界まで削りだし、仕上げは手作業。溶接が困難なアルミ部分は、ボルトで組み立てられる設計にした。

風を起こしてクルマの走行を再現させる設備で、空気抵抗の軽減も試みた。脚部に丸みを持たせることで下部への空気のふくらみが減少し、滑りが安定するようになった。

また、滑走時の最適な姿勢も追究。こうして完成した“平昌モデル”は、製作に約2年を要した。開発メンバーを前に森井選手はこう話す。

「今レースに出たら、間違いなく勝てる気がする」

万全の態勢で臨む平昌大会。パラリンピックは3月9日から始まる。


【the SOCIAL viewより】