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「バリアフリー施設に行きたいワケでない」

2018年2月15日 13:31
「バリアフリー施設に行きたいワケでない」

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「車いすなど足腰に不安がある人 旅行を断念」。観光ツアーセンター代表理事・加藤健一氏に聞いた。

旅行情報誌「じゃらん」の調査によると、車椅子や要介護の状態で足腰に不安を抱えている人の91.7%が「旅行にいきたい」と回答しました。しかし、そのうち実際に旅行をしていると答えた人は、57%という結果でした。

ネット上では、「宿泊可能なホテルを探すのが一苦労」「外出先でのトイレが心配」との声の一方、「非日常の時間があってリフレッシュできる」という意見あった。

――この話題についての意見を書いて頂きました。「バリアフリーの施設に行きたいわけではない!」

はい。そうなんですね、私たちもよく旅行をするわけなんですけど、基本的に健常者の方と同じようにおいしい料理を食べるお店に行きたいとか、観光を楽しみたいとか、温泉に行きたいとか、そういった部分はみなさんと基本的には同じ考えなんですよね。

でも今はなかなかこういうバリアフリーの施設が少ないために、行きたいところよりも、行ける場所、つまりバリアフリーの所を選びがちになってしまうという現状にあると思います。そうした部分も山形バリアフリー観光ツアーセンターでは、より行きやすい情報の提供をさせていただいて、旅を楽しんでいただくひとつのツールなのかなと思っています。

――でも実際に行ってみたら、ちょっと想像と違った、そして戸惑う方もいるかと思うんですが、そのような場合はどのようにしたらいいんでしょう。

事前に私どものほうでも、県内のバリアフリーの調査をさせていただいてまして、それはバリアフリーの調査よりも、バリア調査なんですよね。現状の段差の様子だったりとか、幅だったりですとか、そういったものを全て把握させていただいて、お客様が必要な情報を事前に提供することによって、お客様が安心して、旅行を楽しんでいただけるというような仕組み作りをしています。

――なるほど、そのことによって、このようにバリアフリーの施設に行きたいわけではない、自分たちも楽しいところに行きたいという夢がかないますね。

はい、本当に行けるところに行っていただく、自分の好きなことを楽しむというところが、旅行の楽しみのひとつだと思いますので、ぜひ諦めないで、ご旅行を楽しんでいただけるような環境づくりをすすめていきたいなと思います。


【the SOCIAL opinionsより】