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答弁撤回も…野党が「働き方改革」巡り追及

2018年2月15日 18:42
答弁撤回も…野党が「働き方改革」巡り追及

政府・与党が今国会の目玉にすえる「働き方改革」をめぐり、14日、安倍首相が答弁を撤回する異例の事態が起きた。野党が激しく追及している。

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国会で15日、怒りの声があがった。

希望の党・山井議員「人の命を何と考えてるんだ!私たちは体を張って法案止めますよ」

野党が追及したのは、安倍政権が今国会成立をめざす「働き方改革」法案をめぐって。この法案には、「実際の労働時間に関係なく一定時間働いたとみなす」裁量労働制を認める人の範囲を拡大することが盛り込まれている。

先月の衆議院・予算委員会で、裁量労働制の拡大は労働時間を増やす、と反発する野党に対し、安倍首相は、厚生労働省が調査した、裁量労働で働く人の労働時間のデータを引用しながら、理解を求めていた。

安倍首相「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短い、というデータもある」

政府側はこのデータに基づいて、裁量労働のほうが一般的な働き方より1日あたり約20分働く時間が短くなることもあると主張。しかし14日─

安倍首相「精査が必要なデータを基に行った私の答弁は撤回するとともに、おわびを申し上げたいと思います」

根拠としていたデータは計算や比較の方法などがあいまいで不確かなものだったことが分かり、安倍首相は異例の“答弁撤回”に追い込まれた。

希望の党・山井議員「(法案の)唯一最大の根拠がゆらいでるわけじゃないですか。『裁量労働制のほうが労働時間が短い』というデータを何とか探せ、作れというふうにしたんじゃないですか」

加藤厚労相「今(データを)精査させていただき、その精査結果等について、できるだけ早く対応させていただきたい」

希望の党・山井議員「人の命がかかってるんですよ、この問題は!今頃精査ってなんですか!」

過労死が社会問題となる中で判明したデータのずさんさに、怒りをあらわにする野党。

希望の党・山井議員「当然これは人の命に関わるデータのねつ造ですから、しっかりと責任を取られる覚悟はおありですか?」

加藤厚労相「疑問点を指摘されておりますので、まずはそれに対してしっかりお答えさせていただきたい」

問題のデータについて、政府は19日までに調べて報告するとしているが、野党側は「根拠がゆらいだ」として法案の撤回を求めている。