引き算で作る「日本人的チョコ」とは?
新たな視点でチョコレートを製造、販売する山下貴嗣氏は、カカオ豆の選定からチョコレートの製造までを一貫して行っている。より良いチョコを提供するため、カカオ農家と共に生産手法や豆の品質改善に取り組んでいるほか、市場価格の3倍以上で豆を購入し、フェアトレードを行うなどして生産者との対等な関係を築いている。
――こういった事業を、どういったきっかけで行われたんですか?
実は、私は3年前まで普通に会社員をしていて、脱サラをしたんです。その時に、日本人の良さをいかして、グローバルに外貨がちゃんと取れるようなビジネスが何かできないかなと思っていました。
チョコレートってヨーロッパのものじゃないですか。欧米ですごく消費されているので、日本人的にチョコレートを捉えなおして、ちゃんと日本人が作るという“モノ作り”ができたら面白いなと。
――日本人的にというのは、どういった捉え方だったんですか?
普通、チョコレートは、カカオをベースにお砂糖やミルクやバター、乳化剤を足したりする“足し算”でモノを作っていくんですけど、実は、うちのチョコレートは全部引き算で作っています。カカオとお砂糖という2種類の材料以外、何も使っていません。
そのカカオの土地の味とか、素材の味みたいなものをどう引き出すかということを、実は表現しているんです。
【the SOCIAL guestより】