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金委員長「戦いの準備に拍車を」兵士に演説

2018年2月8日 21:47

北朝鮮の国営テレビは8日夕方、金正恩委員長出席のもと行われた軍創建70周年を祝う軍事パレードを公開した。

朝鮮中央テレビで午後5時半から放送された映像―。

平壌の金日成広場を大勢の兵士が埋め尽くす中、金正恩委員長が李雪主夫人とともに姿を現した。雪主夫人が金委員長に同席する形で軍事パレードに出席するのは初めてとみられる。ひな壇に立った金委員長は兵士たちを前に演説を行った。

金正恩委員長「きょうの閲兵式は世界的な軍事強国と発展した強大な国の姿を誇示することになるだろう」「アメリカとその追従勢力が朝鮮半島周辺で騒ぎを立てている現在の情勢の下で、人民軍は高度な激動状態を維持し、戦いの準備にさらに拍車をかけていかなければならない。侵略者が神聖な祖国の領土に0.001ミリでも侵害したりもてあそばせないようにしなければならない」「党と革命、祖国と人民のために勇敢に戦っていこう」

演説で金委員長はアメリカをけん制する一方、軍の近代化に取り組む姿勢を強調した。

金委員長の近くには実の妹である与正氏とみられる人の姿も確認できる。与正氏は9日、北朝鮮の高官級代表団として平昌オリンピックが開幕する韓国を訪問する。

金委員長の演説に続き軍事パレードがスタート。兵士たちによる行進が始まり、顔に迷彩色のペイントを施した特殊部隊も登場した。また、アメリカ本土を射程に収めるICBM(=大陸間弾道ミサイル)の「火星14型」や「火星15型」も公開された。

韓国軍関係者によるとパレードは約1時間半にわたって行われたが前回よりも1時間以上短くなったほか、規模も縮小されたという。オリンピック開幕前日の軍事パレードについては挑発との批判も出ていたが、北朝鮮としては生中継を行わないことで韓国との摩擦が高まるのを避ける狙いもあったとみられる。