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がんで働く、問われる「働き方改革」の意義

2018年2月2日 14:42
がんで働く、問われる「働き方改革」の意義

今回の話題は「がんから復帰 仕事への意識にも変化」。ライフネット生命社長の岩瀬大輔氏に聞いた。岩瀬氏は、がんと就労問題に取り組む民間プロジェクト「がんアライ部」の運営にも取り組んでいる。

ライフネット生命が、がん経験者572人に行った調査で、がんを経験した後の仕事への意識変化として、75%の人が「ライフワークバランスへの意識が高まった」、52%の人が「周りのスタッフへの気遣いも高まった」と回答した。

ネット上では、「時短勤務やリモートワークができればいい」「亡くなるまで働くほうが生き生きとできるはず」「がんとはいえ、度々の欠勤・早退は正直迷惑」という意見もあった。

――この話題についてのご意見を書いていただきました。

真の「働き方改革」とは何か、というのが問われていると思います。働き方改革は、非常に狭い意味では、残業時間を減らそうとかいうことに注目が浴びがちなんですが、その本質は、多様なライフスタイル、多様な制約条件の中で働く一人ひとりが、できるだけ個性と才能を生かせる環境をつくっていこうということだと思うんですね。

子育て中の方もそうですし、障害も持った方もそうかしれませんし、病気と闘いながら働いてる方々もそうかもしれません。本当の意味での働き方改革は、今までのように電車に乗って通勤して、9時から5時まで机に座っている、みんなが同じ環境で働いている枠から取り払って、いろいろな制約や環境にいる人たちも一人ひとりが、一番才能を発揮できるような職場をつくっていくことが問われているのであって、「がんと就労」という問題も、まさに働き方改革のひとつの柱として考えていいんじゃないかと思っています。


【the SOCIAL opinionsより】