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がんとどう向き合うか?

2018年2月1日 21:40
がんとどう向き合うか?

ニュースのポイントをコンパクトにまとめた「深層NEWS ここにフォーカス」。「余命ゼロ」と診断されたがんを克服した俳優と、多くの患者らと向き合ってきた医師による、がんとどう向き合うかについて、「がん哲学外来」を立ち上げた順天堂大学医学部教授の樋野興夫さんと、『余命ゼロ』から完治した俳優の小西博之さんに聞く。

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小西博之氏「(腎臓がんの確率)98%と言われて夜、泣いて泣いて、どうせ泣くならお風呂で泣こうと思ってお風呂で1時間泣いた。何を泣いたかというと、『死にたくない』ですよ。『死にたくな~い!』って1時間泣いたんですよ。1時間泣いて出てきたらヘトヘトになっているんですよ。のども渇いているし。冷蔵庫を開けたら小さなビールがあったんで、ビール飲もうっと思って飲んだ。横になって目を開けたら朝になっていた。『おお、眠れた』と思って。がん患者は眠れないんですよ。不安で。眠れない、食べられない、性欲もない。ところが思いっきり泣いて、泣くだけ泣いて、ちょっとお酒飲んで、ぐっすり眠れたんで、『これだ!』と思って。『闘病』闘いは泣いたら負けじゃないですか。だからみんな泣かずに必死に一生懸命がんばるんですよ。だから大きな病気でがんになっても泣かずにずっと…泣きゃいいんですよ。死にたくないって魂の叫びを出せばいいんですよ。僕は出せたんですよ。たまたま。怖かったから」

Q:そうやって泣いていいんだよ、抱え込まなくていいんだよ、歯を食いしばらなくていいんだよ、という形でやっていくと本当に楽になるんですか?

樋野興夫氏「要するに、1日1時間、深刻に部屋に閉じこもって1人で考える習慣を付けるんですね。1日1時間深刻に考えると疲れるからね。そうすると外に出られる。中途半端に悩むと1日中悩みますね。1人静かに部屋に閉じこもって深刻に考えることがいいですね」