×

梅ジャム生産終了…引退の理由は「哲学」

2018年1月29日 16:51
梅ジャム生産終了…引退の理由は「哲学」

つくり続けて70年、梅ジャム人生に「一片の悔いなし」――「梅ジャム」は去年12月に製造を終了しました。

引退した高林博文さんにやめた理由を聞いたところ――

「自分で興したことは自分で閉じる」「やり遂げたということですね」

梅ジャムとは、梅の酸味と塩気が特徴の駄菓子です。この商品をたった1人で、16歳から87歳までの間、つくり続けてきた高林さん。つくりはじめたきっかけは――

「せんべいに塗る形にできないかと」

梅ジャムは、紙芝居の流行とともに広まったそうで、ジャムの様に塗って食べたりします。少子化の影響などで全盛期に比べ売り上げは激減。また、高齢による体調不良も重なり、やめることを決断しました。

「もうちょっとやれば良かったとか、そういった野心や未練や考えは一切わかなかった」

つくり方はいたってシンプルです。梅肉や砂糖などが原料。最初はサラサラの状態で、40分ほど煮込んでとろみをつけて完成させます。一見、簡単そうですが、つくり方を知るのは高林さんだけ。

「分量がこうだといってこの味は出せないだろう」「この味を出すことが私の哲学」

今までにどれだけの量をつくってきたか聞いたところ――

「そこまでは見当もつかないですね」

在庫はいま出回っている商品だけだといいます。


【the SOCIAL viewより】