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業界注目“新ビール”で市場活性化なるか

2018年1月16日 21:47
業界注目“新ビール”で市場活性化なるか

去年のビール類の出荷量が前年を下回り、13年連続で過去最低を更新した。こうした中、4月から新たな法律が施行され、果物や蜂蜜などを使ったビールが登場する。期待が高まるビール業界を取材した。

◆業界注目“フレーバービール”

東京・代官山にあるレストラン「スプリングバレーブルワリー東京」で出てきたのは、白ワインの様な味わいが特徴の「フレーバービール」。こちらの店では、ラズベリーの果汁を使ったフレーバービールや、ゆずと山椒を使ったものが人気だ。

にぎわいを見せる店内。しかし、ビール市場は年々縮小し、16日にビール大手5社が発表したビール類の出荷量は13年連続で減少、過去最低を記録した。

こうした中、フレーバービールが業界から注目されている。

◆“発泡酒”から“ビール”に変更、何が起こる?

フレーバービールは現在の法律上、ビールよりも値段が安い「発泡酒」に分類されている。しかし、4月からは酒税法が改正され、「ビール」として販売することができる。

「ビール」と「発泡酒」。一見単なる名称の違いに見えるが、それだけにとどまらない。

神奈川・厚木市の醸造所「サンクトガーレン」では、地元産のオレンジを使った「湘南ゴールド」のほか、シナモンアップル、スイートバニラなどを使ったフレーバービールを製造しているが、ある不満を抱えていた。

サンクトガーレン・岩本伸久社長「発泡酒になると安いものだろうと皆さん思うので、ギフトにも使いにくいし、発泡酒なのに高いんじゃないかと思われたりするので、足かせがありますね」

しかし、4月から商品のうちいくつかをより高級な「ビール」として販売できるという。

◆市場活性化の可能性は

色々な種類のビールの誕生は、市場が活性化するきっかけとなる可能性もある。

キリン広報・佐藤啓太氏「新しい個性的なビールをつくることで、今までビールに興味がなかったお客様にもアプローチをしていけたらと思っています」

今回の法改正を受け、企業側もより魅力ある商品づくりに力を入れている。ビール離れを食い止めるきっかけとなるのだろうか。