×

400年続く大磯の火祭り“左義長”とは?

2018年1月15日 13:56
400年続く大磯の火祭り“左義長”とは?

正月の松飾りやしめ縄などを焼き、その火で餅や団子などを焼いて健康と幸福を祈る行事は、地域によって“どんど焼き”“左義長”と呼ばれる。神奈川・大磯町で13日、400年の伝統を誇る「大磯の左義長」が行われた。一体どのような行事なのか?

海の町・大磯で400年続く火祭り“大磯の左義長”。見どころは最終日に行われる“セエトバレエ”と“ヤンナゴッコ”だ。

セエトバレエの語源は、“サイト払い”。正月飾りなどを積み上げて作られた山を“サイト”という。各地区の9基のサイトが、左義長では一斉に燃やされる。

サイト作りは住民総出で行う。サイトの中心に立てられるのは、長さ8メートルの“オンベ竹”と呼ばれる竹だ。これをまっすぐに立てる作業は大仕事だ。竹の周りには松やワラ、町内から集めた正月飾りを積み上げ、半日がかりでサイトを組み上げる。

左義長は他の地域でも行われているが、サイトが9基ある大磯の左義長は、その規模から関東最大の火祭りといわれている。セエトバレエで正月飾りを燃やし、その火であぶった団子を食べることで、無病息災になるといわれている。

サイトが燃え上がる中、左義長のフィナーレを飾るヤンナゴッコが始まる。ヤンナとは“やるな”の意味で、海と陸とで“やるなやるな”と綱引きする。綱の中心には、疫病神を封じ込めた仮宮が置かれ、お互いに仮宮をやるまいと引き合う。

海側にはふんどし姿の男たち。男たちは魚に見立てられており、その男たちを海から陸に引き上げることで豊漁を願う。疫病神を封じ込めた仮宮は、潰して火にくべることで疫病神が逃げだし、福を呼び込むとされている。

厄を払い、福を呼び込む大磯の左義長。海岸沿いの地域で400年守り継がれた祭りは、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。


【the SOCIAL todayより】