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緊迫続く米朝関係…軍事衝突の可能性は

2017年12月31日 8:38

北朝鮮は2017年、17回の弾道ミサイル発射実験と核実験1回を行い、アメリカとの間でも緊張が高まった。2018年、トランプ政権はどう対応するのだろうか。ワシントン支局・井上幸昌記者が伝える。

ICBM(=大陸間弾道ミサイル)の発射実験を行った北朝鮮は年末になり「アメリカは夢想から早く目を覚ますべきだ」と表明した。圧力をいくら強めても核・ミサイルは放棄しないという姿勢の表れ。

北朝鮮がICBMを実戦配備するとされる2018年。トランプ大統領が次の一手を迫られる年になる。まずは、北朝鮮の生殺与奪を握る中国に対し、最後通告のような形で圧力強化を要求する展開が想定される。中国が拒み続ける「原油の全面禁輸」などを巡って両国の攻防が激しくなるとみられる。

その先には「対話」か「軍事行動」かの究極の選択が待っている。「対話」を模索する動きは今もティラーソン国務長官の下、水面下で続いているとの情報がある。トランプ政権は「非核化が対話の前提だ」としているが、アメリカの北朝鮮専門家は「その前提を変えて交渉に入るべきだ」と指摘する。ただ、政権内にそうした雰囲気は全くなく、対話を重視するティラーソン長官は近く更迭されるとの見方が有力。

一方、ホワイトハウスにパイプのある関係者は「ホワイトハウス内で早期に軍事攻撃すべきとの声が前よりも高まっていて、その確率は30%だ」と、話している。カギを握る一人が次の国務長官と目されるポンペオCIA長官で、強硬な対応を主張しているとも言われている。

両国の緊張がさらに高まれば予期せぬ衝突につながるとの懸念も強まっている。北朝鮮情勢はトランプ大統領も道筋を描けていない危険な局面に入る可能性もある。