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きょう大納会 株価から見る今年の経済は?

2017年12月29日 11:54

東京証券取引所では今年最後の取引が行われている。今年の株価はどう動いたのだろうか。東京証券取引所から東本由紀子記者が伝える。

今年の株式市場は話題の多い1年となった。4年ぶりに値を上げて始まった年明けの株式市場。しかし、1月に就任したアメリカ・トランプ大統領の大胆な経済政策への期待と保護主義への懸念が交錯し、株価は一進一退を繰り返した。

その後、4月には北朝鮮のミサイル発射などを受け1万8335円と今年の最安値をつけた。しかし、その後は、アメリカの好調な経済が追い風となり、6月には1年半ぶりに2万円台を回復。その後も世界経済の良さが日本の株価を押し上げた。

今年1年を振り返ると、1万9000円台から始まった株価は10月に史上初の16連騰を記録。12月には2万2939円と約26年ぶりの高値水準となった。

記録的な株高は特に大企業の好調な業績によるものだが、賃金アップには結びついていない。市場関係者からは「日銀の金融緩和で市場に金が出回り、その結果、株価が押し上げられている」との指摘もある。

株の世界には干支(えと)にちなんだ格言があり、来年は「戌(いぬ)笑う」と言われている。本当に「笑う」ためには、株価が好調な今こそ、人口減少や社会保障など日本が抱える構造的な問題を解決することが求められている。