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6年連続過去最大 来年度予算案を閣議決定

2017年12月22日 11:53

政府は22日午前、過去最大となる来年度の予算案を決定した。

来年度の予算のポイントは「少子高齢化」と「北朝鮮」という2つのリスクにどう向き合うか。

麻生財務相「経済再生と財政健全化を両立する予算ができた」

来年度の予算案は、「人づくり革命」と「生産性革命」の実現に向けた施策などを盛り込み、総額で97兆7100億円、6年連続で過去最大を更新した。歳出は膨らむ一方。

社会保障費は高齢化で年金や医療費が増え、32兆9700億円と過去最大。焦点となっていた診療報酬は医師などの報酬にあたる「本体」部分を0.55%引き上げた。日本医師会などに配慮したものとみられるが、医療の効率化といった議論には踏み込まず、医療機関の収入を増やすだけの結果となった。

公共事業費も5兆9800億円と6年連続で増え続けている。人口が減り続ける中、どこに重点を置くか議論はなおざりにされたまま。

防衛費は北朝鮮問題などを背景に過去最大の5兆1900億円となった。6年連続で増え、陸上配備型の迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の設計費用なども盛り込まれている。

一方、歳入ではゆるやかな景気回復を受け、税収が今年度を上回る約59兆800億円となる。その結果、新たに発行する国債は減ったが、まだ、国の財布の3分の1以上を借金に頼る厳しい状況。

歳出ばかりが膨らんだ来年度の予算、若い世代につけを回すばかりの目先の帳尻あわせではなく、根本的な議論をすべき時にきている。