お葬式や薬局にも…進化するドライブスルー
ファストフード店などでおなじみの「ドライブスルー」が進化している。お葬式の参列も車から降りずにできるようになったという。その狙いを取材した。
■高齢者や車いすの人のために…ドライブスルーで焼香
16日、長野県上田市にオープンした葬祭場「上田南愛昇殿」。全国で初というドライブスルー方式の焼香が、車を降りることが困難な高齢者や車いすの人のことを考えて導入された。
葬儀場を運営するレクスト・アイの荻原政雄社長「私が実体験で、体の不自由な方が車いすで来まして、乗り降りから会葬してすべてのことを行うのに30分ぐらいかかった。なんとかもうちょっと気軽にできるかなという思いもあった」
車が到着したら、まずはタブレット端末などを使って記帳。車の中から香典を渡し、焼香を行う。しかし、ドライブスルーで焼香をすることに、不謹慎ではという声も上がった。そこで…。
ドライブスルー焼香開発者・D&Aコンサルティングの竹原健二代表取締役「スクリーンに映し出されると、これは亡くなった人とのものすごい親近感が生まれるということで、これが私は一番大事な部分かなと」
焼香の様子を会場内のモニターに映し出すことで、ドライブスルーでも遺族や亡くなった方にきちんと顔が見せられるよう工夫し、理解を求めたという。
■薬局のドライブスルーはプライバシー保護にもメリット
茨城県つくば市にある「南山堂薬局 つくば本店」では、約4年前から車に乗ったまま薬が受け取れるドライブスルーのサービスを行っている。
利用者「便利ですね。インフルエンザもはやっているので、車の中で行動しながらできるので」
薬局でのドライブスルーには手軽さだけではないメリットもあるという。
南山堂薬局つくば本店・関敦子店長「プライバシーの件に関しましては、窓口ですと、窓口のパーテーションはあるんですけれども、やはり隣の患者様のお話とかがちょっと聞こえてしまうとかいうこともありまして」
薬の情報や注意点を伝える際、周りに知られにくい状況で説明できるメリットがあるという。
■ペット同士のトラブルを防げる動物病院のドライブスルー
茨城県石岡市の「みむら動物病院」では、車に乗ったまま受け付けができ、診察時間まで駐車場で待機。待合室を通らず診察室に直接つながる入り口から入って診察を受けられる。
みむら動物病院・三村賢司院長「猫ちゃんなんか、わんちゃん嫌いですので、(待合室で)一緒に待っていると、診察する前から興奮して、すごく大変なんですけど、車で静かに飼い主さんと待っていると、診察も落ち着いてできます」
待合室での動物同士のトラブルを防げるのもドライブスルーのメリットだという。
さまざまなニーズに合わせて進化するドライブスルー。今後も新たなサービスが広がっていくのだろうか。