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年末の値上げ続々 値上げの波は来年も…

2017年12月18日 18:33
年末の値上げ続々 値上げの波は来年も…

寒さも厳しくなり、今年も残すところあとわずか。そんな中、冬のイベントに欠かせない食材が続々と値上げしている。

クリスマスを前に、ケーキには欠かせない小麦粉が値上がりする。ケーキ店“ラトリエ・ドゥ・シュクル”では、クリスマスケーキの予約が約800あるという。また、店の人気商品“肉球マドレーヌ”は、東京駅などでも販売されていて、多い日には1日3000個も売れるという。そのため、使用する小麦粉は1日約40キロとかなりの量になるが、小麦粉の値段がかなり上がり、苦戦しているとのことだ。

小麦の多くが海外からの輸入に頼っているため、円安が続く中、小麦粉の価格も上がっているのが現状だ。そこで、店は大勝負に出た。使用する小麦粉を通常より1.5倍もする値段のフランス産に変えた。シェフの白岩さんはこう話す。

「どうせ高くなるのでしたら、よりいい小麦粉を使って、お客様に喜んでもらうのがやっぱり我々の仕事ですから、そういう考えで切り替えています」

値上がりを逆手に取ったアイデアだ。

そんな小麦粉の値上がりの余波は家庭にも。日清フーズと日本製粉は、来年1月4日出荷分から家庭用の小麦粉など、一部商品を値上げすると発表した。

そして、値上げの波は年越しに欠かせないそばにも。台風の影響でそばの収穫が減ったことや、海外での和食ブームもあって、そば粉が去年より1キロあたり100円値上がりしているそうだ。

また、ダシに使うかつお節も世界的にカツオの需要が拡大したことや、国内の水揚げ量が減少したため値上がりしている。そば屋はかつお節の使用量が多く、1日約6キロのかつお節を使うという。

では、かつお節の家庭への影響はというと、東洋水産は、今月出荷分から“マルちゃん 削りぶし”5種類を10円~55円値上げ。また、削り節各社は、今年8月以降に値上げに踏み切っている。

そして、来年には、原材料の高騰や物流コストの上昇が原因で、ワインやビールの値上げも控えている。さらに、冬至に欠かせないゆず湯。ゆずの生産量日本一を誇る高知県は、台風の被害を受けて去年の半分以下しか出荷できていない。高知県園芸連によると、1箱1.5キロあたり、例年より1000円値上げしているという。

値上げの波は年明け後も続きそうだ。