国連の安全保障理事会は１５日、北朝鮮の核・ミサイル開発をテーマとした外相級会合を開催した。アメリカのティラーソン国務長官は、「対話の条件」として「挑発行為の停止」を挙げた。

今月の議長国である日本が呼びかけた会合で、アメリカの席にはティラーソン国務長官、そして異例の形で、この席に北朝鮮の大使も姿を見せた。

ティラーソン長官は「北朝鮮が非核化するまでは圧力戦略を続ける」と指摘した上で、安保理の制裁決議を確実に実行するよう求めた。さらに、日本の河野外相も「最大限圧力を強める」と圧力強化を呼びかけた。

一方、ティラーソン長官は、北朝鮮大使を前に「望むのは外交的解決だ」と指摘、対話の条件として挑発行為の停止を挙げた。

アメリカ・ティラーソン長官「対話を始める前に北朝鮮は挑発行為を一定期間停止しなくてはいけない。意思疎通のチャンネルも開き続けていく」

チャ・ソンナム北朝鮮大使「世界には核大国が複数あるが、アメリカのように核兵器を武器に別の国に対して公に脅迫する国は他にはない」

アメリカ批判を続けた演説の後、チャ大使は対話の条件として「制裁の解除」を挙げた。

チャ・ソンナム大使「国連とアメリカ独自の制裁を受けていたら、対話の場に出るわけにはいかない」

安保理にわざわざ出席し、対話には「制裁解除」が前提とした北朝鮮。国際社会で対話を模索する動きが出てくる一方で、安保理で北朝鮮包囲網を強めようとする日米との溝が改めて鮮明になった形。