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各地でデモ…死者も エルサレムから中継

2017年12月9日 0:13

 アメリカのトランプ大統領が中東のエルサレムをイスラエルの首都と認めた問題で、エルサレムでは8日、イスラム教の集団礼拝の日を迎え、各地で抗議デモが行われて死者も出ている。エルサレムから川上記者が伝える。

 エルサレム旧市街では集団礼拝の直後から断続的にデモが行われ、先ほどまでパレスチナの人々とイスラエル治安当局とのにらみ合いが続いていたが、日本時間9日午前0時前になって、ようやく落ち着きを取り戻しつつある。

 旧市街では昼すぎから集団礼拝が行われ、イスラエルの治安当局も当初はパレスチナ人を刺激しないようにモスクへの入場を制限しないなど静観の構えを見せていた。

 しかし、一部の住民がトランプ大統領を非難するシュプレヒコールを上げて熱を帯びてくると治安部隊が割って入り、小競り合いとなった。

 パレスチナ人「トランプ大統領はパレスチナ問題を解決しようとせず、危害を加えようとしている」

 一方、パレスチナ自治区のラマラでも、石を投げるデモ隊に対し治安部隊が催涙弾を発射し応戦した。パレスチナ側によると、治安部隊との衝突でこれまでに2人が死亡したという。

 ただ、事前に懸念されていたほどの激しい衝突はなかったという見方もある。

 ただ、私たちが取材したパレスチナ人の中には、「反イスラエルの民衆蜂起」を意味する「インティファーダ」という言葉を繰り返し、怒りをあらわにする人もいた。

 トランプ大統領の発言によって怒りのマグマが高まっているのは確かで、今後、いつ爆発してもおかしくない、そんな状況が続くとみられる。