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トランプ大統領の表明、中東諸国は強く反発

2017年12月7日 6:22

 アメリカのトランプ大統領が6日、帰属を巡って争いのある中東のエルサレムを「イスラエルの首都だ」と認め、アメリカ大使館も移転すると表明した。この表明に中東諸国は強く反発している。エジプト・カイロから可児智之記者が伝える。

 中東和平を仲介するはずのトランプ大統領にいわば裏切られた形のパレスチナ自治政府のアッバス議長は、大統領を強く非難した。

 アッバス議長「アメリカが中東和平の仲介役を放棄すると宣言したのと同じだ」

 アッバス議長は、「エルサレムはパレスチナ国家の永遠の首都だ」と強調した。またアラブ連盟は、「3億6000万人のアラブ人と15億人のイスラム教徒の怒りに火をつけるものだ」とアメリカを非難。さらに、トルコでは、抗議する人たちがアメリカ総領事館を取り囲んだ。

 一方で、イスラエルのネタニヤフ首相は「歴史的な日だ」と喜び、エルサレムをイスラエルの首都と認めることが中東和平の前提になるとの考えを示した。

 トランプ大統領の決定で和平交渉が行き詰まるのは必至で、アメリカに対する非難と怒りの声が鳴りやまない。