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池の水を抜いてみると…たくさんの外来種!

2017年12月7日 18:47

 静岡市の遊水地で水を抜いて外来種の調査が行われた。一体、どんな生き物が見つかったのか?

 静岡市の麻機遊水地。日本固有の生物が多く生息し、珍しい野鳥も飛来するスポットだ。しかし、その生態系に大きな変化が。池からは、元々いなかったはずの外来種が次々と見つかった。

 遊水地の環境保全を行う協議会が企画した今回の取り組み。220平方メートルもの池の水を抜いて生物を捕獲し、生態調査を行う。指揮をとるのは、外来種を研究する静岡大学の加藤英明講師。

 加藤さん「(以前から)外来種の数が増えてきた印象が強い。在来種がたくさん出れば、まだ守る生物がいる。逆に全部外来種であれば、遊水地全体をなんとかしないと」

 排水を始めて3時間。水深が30センチほどになったところで捕獲が始まった。

 加藤さん「ライギョいるね。まだ若い。もっと大きくなるので、水鳥のヒナとかいろいろなものを食べてしまう」

 まず見つかったのは、本来、池にいないはずのライギョの子ども。さらに、アカミミガメも見つかった。

 加藤さん「ミドリガメと言われて売られているが、大きくなると凶暴。それで捨てられたりしている」

 また、「カダヤシ」という2センチほどの魚は、メダカなどの卵を食べるため、非常に厄介な外来種。元々は池にいたフナなどの数は少なく、さらに以前は見かけたメダカやドジョウを見つけることはできなかった。

 結果は、在来種が3種類・264匹。外来種が6種類・559匹。外来種は在来種の2倍以上いることがわかった。

 加藤さん「作業をしていて、楽しいどころか暗い気分になる。外来種を取り除く作業をしながら、環境を改善していく必要がある」

 協議会では今回の調査結果を環境保全に役立てていくという。