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2分でわかる“ゲノム編集” どんな技術?

2017年12月7日 15:25
2分でわかる“ゲノム編集” どんな技術?

 いま、遺伝子の性質を変化させ、品種改良を行う“ゲノム編集”の研究が急速に進んでいる。ゲノム編集とは、一体どんな技術なのだろうか。

 マダイの厚みは1.5倍、トマトの日持ちは2~3倍に。これらを可能にしたのは、ゲノム編集と呼ばれる最先端の遺伝子操作技術だ。ゲノムとは、生物の特徴を決める遺伝情報の全てを意味する。

 ゲノム編集とはどのような技術なのか。これまで品種改良に使われてきたのは、“遺伝子組み換え”だ。この手法は、別の生物の遺伝子を外部から取り込み、元の生物にはなかった性質を付け加える。一方、ゲノム編集は、遺伝的に変えたい部分に狙いを定め、ピンポイントでその部分を取り除く。遺伝子は自然の修復作用でつながり、性質が変化する。

 これは、自然界で起こる“突然変異”により近いと考えられている。マダイは筋肉量を調節する遺伝子を弱めることで肉付きを良くし、トマトは熟成を促す遺伝子を弱めることで日持ちを延ばしている。

 ゲノム編集に複雑な操作は必要ない。トマトでは双葉の一部を切り取り、遺伝子を変化させる特殊な溶液に浸すだけでゲノム編集が行われる。これをシャーレに移して培養し、芽が出たら栽培室で数か月育成する。

 ゲノム編集は急速に広まった技術のため、明確なルールはなく課題も山積している。想定しない遺伝子を変えてしまう危険性もある。また、遺伝子を変えた生物が自然界に出てしまうと、環境や生態系への影響は未知数だ。ゲノム編集の技術と今後どう向き合っていくかが重要だ。


【the SOCIAL viewより】