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米政府機関ポスト 2人がトップ名乗る事態

2017年11月28日 15:53

 アメリカ・トランプ政権の人事がまたも混乱している。政府機関のポストをめぐって大統領と役所側が違う人物をそれぞれ指名し、2人が「トップ」を名乗る異例の事態となっている。

 金融機関の監視を担うアメリカの消費者金融保護局では先週、局長が辞任したが、役所側は後任が決まるまで副局長のイングリッシュ氏が暫定トップの「局長代行」を務めると主張している。

 しかし、トランプ大統領はこの役所に批判的なホワイトハウスの予算責任者、マルバニー氏を「局長代行」に指名すると発表。金融規制の緩和を進める狙いがあると見られるが、2人の「局長代行」がそれぞれ自らの正当性を主張し対立する異例の事態となっている。

 27日、初登庁したマルバニー氏は職員に、「イングリッシュ氏からの指示は無視するように」と一斉メールで釘をさすと会議の様子を公開し存在感をアピール。一方のイングリッシュ氏も、「局長代行」を名乗って職員に一斉メールを送信したほか、大統領による指名の差し止めを求めて提訴するなど人事をめぐる対立は法廷闘争にも発展している。